2024.02.08 COLUMN
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マンションの宅配ボックス設置を推進:国土交通省が合意要件を明確化

国土交通省は、マンションの共用部分に宅配ボックスを設置しやすくするための新たな動きを発表しました。
これは、急速に変化する物流ニーズに対応し、特に2024年から強化される時間外労働の規制による運転手不足という、いわゆる「2024年問題」に対処するための一環です。
この記事では、国土交通省の新たな指針と、マンションでの宅配ボックス設置の重要性について掘り下げていきます。

国土交通省の新指針

国土交通省は、マンションの管理規約の指針となる「標準管理規約」を改正し、宅配ボックスの設置に関する区分所有者の合意要件を明確化しました。
これまで宅配ボックスの設置は、その要件が不明確で進まないケースが多々ありました。
しかし、今年度内の改正により、総会出席者の過半数の賛成だけで設置が可能になる見通しです。

総会での決議方法

マンションの区分所有者間での合意形成は、主に総会での決議を通じて行われます。
従来、重要議案には所有者の4分の3以上の賛成が必要な「特別決議」が求められる場合が多いですが、宅配ボックス設置のように共用部分の変更が小さい場合は、「普通決議」、すなわち出席者の過半数の賛成で対応可能となります。

現状と課題

2020年に実施された民間調査によると、約4000件のマンションを対象にした宅配ボックスの設置率は70.8%に達しています。
しかし、築31年以上のマンションでは設置率が1割を下回るなど、新築時に設置されていない物件が多く、改善が求められています。

置き配の問題点と対策

国土交通省は、マンションでの「置き配」に関しても言及しています。
長時間の放置が避難の支障にならないよう、管理規約で置き配可能な場所、置き配できないもの、放置できる期間などを定めるべき項目を示しました。
これは、住民の安全と利便性を確保するための重要な指針です。

まとめ

国土交通省によるこの改正は、マンションでの宅配ボックスの普及を大きく前進させるものです。
パブリックコメントの募集も開始され、国民からの意見を反映させることで、より実用的で住民のニーズに合った規約改正が期待されます。
物流の効率化だけでなく、住民の生活の質の向上にも繋がるこの動きは、今後のマンション管理のあり方に大きな影響を与えるでしょう。