オートロックマンションでも「置き配」が可能に
配送サービスの進化
三菱地所コミュニティは、三菱地所グループの一員としてマンションの管理業務を展開しています。
今回、物流の課題に対処するために文京区に本社を置くライナフと協力し、オートロック機能を備えたマンションでも、住民がインターネットで購入した商品を玄関前に直接配達できる「置き配」サービスを提供開始します。
この新サービスは、宅配業者の再配達の負担を軽減し、住民の満足度を高めることを目指しています。
全国で約4300の物件を管理する三菱地所コミュニティは、これまで宅配業者が荷物を届ける際には、エントランスの宅配ボックスを利用するか、住民がインターホンに応答するまで待つ必要がありました。
しかし、住民が不在時の再配達が常態化しているのが現状です。
そこで、住民の増加するニーズに応える形で、この置き配を可能にする決断をしました。
【スマートテクノロジーの活用】「スマート置き配」の仕組みとは?
ライナフが開発した「スマート置き配」システムでは、マンション住民が楽天市場やAmazonなどのオンラインショップで買い物をする際に、置き配を選択すれば、配送業者のシステムからライナフに入口の解錠をリクエストし、ライナフは宅配業者に解錠の権限を自動で付与します。
置き配を実施するマンションでは、事前にライナフが開発した手のひらサイズのスマートロックを設置します。
解錠権限を得た配送業者は、マンション前に到着後、スマートフォンを使って自動ドアを開け、直接荷物を住戸前に置くことができます。配送完了後、権限は失われます。
【サービス導入の将来性】三菱地所コミュニティの展望
今年2月より、三菱地所コミュニティは管理物件で置き配サービスの提案を開始し、各マンションで住民の過半数以上の同意を得た場合、サービスの導入に向けて使用細則を変更します。
藤原健二企画運営グループ長によれば、約4000の物件でサービスを提供する可能性があります。
導入が決定すれば、最大で3万戸以上で置き配が実現する見込みです。
スマートロックの需要は増加傾向にあり、首都圏や主要都市の物件に導入が進んでいます。
現在、9234棟で活用されており、居住者の利便性向上が目的です。
宅配会社にとっても、再配達の回数削減や待機時間短縮のメリットがあり、三菱地所コミュニティとライナフの取り組みは、始めにヤマト運輸などが対象となり、将来的には他の宅配会社にも拡大する予定です。