2024.09.02 COLUMN
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宅配ボックス容量の真実:知っておきたいリットル表記の落とし穴

宅配ボックスを選ぶ際、容量を示す「ℓ」表記が重要な判断基準の一つとなります。
しかし、この「ℓ」表記が必ずしも実際の投函可能な容量を示しているわけではないことをご存知でしょうか?
本コンテンツでは、宅配ボックスのリットル表記に潜む真実を明らかにし、購入を検討されている方が正しい情報を得られるようサポートします。

宅配ボックスにおける「リットル表記」とは?

宅配ボックスのリットル表記は、通常そのボックスに投函できる容量を示すべきです。
購入を検討されている方も、この表記が「投函可能な荷物の最大サイズ」だと思っている事を願います。

しかし、実際には「本体サイズ」や「内寸」を基にリットル表記がされていることがあり、これはユーザーにとって誤解を招く原因となります。

実際のリットルと広告リットルの違い

ここでは、具体的な例を挙げて、実際のリットル容量と広告(商品ページ)に記載されているリットル容量の違いを説明します。
以下の3つの販売店を例に、その実態を明らかにします。

P社: 最大投函荷物サイズ32×40×62cmのボックスを「130ℓの大容量」と謳っていますが、これは実際の容量を示すものではありません。
P社は最大投函荷物サイズ3辺の長さを単純に加算し、その合計値をリットルとして表記していると推測されます。
この方法では、実際に投函可能な容量を反映していないため、誤解を招く表記です。

Y社: Y社の宅配ボックスは、取り出し口が狭いにも関わらず、内寸を基に容量表記を行っています。
取り出し口のサイズは35.5×50.5cmですが、内寸は44×29.5×56cmとなっており、表記上の容量よりも実際に投函可能な荷物のサイズが小さくなります。
最大投函サイズ35×28×50cmから計算すると、実際の容量は49ℓであり、広告で謳われている容量72 ℓよりもかなり小さいです。

V社: V社においては、最大投函サイズ38×31×50cmのボックスを「75ℓ」として表記していますが、これは実際の容量とは一致しません。
計算によると、このボックスの正しい容量は59ℓであり、16 ℓも容量が大きい表記としている参照数値は確認できませんでしたが、明らかに優良誤認表示となっています。

正しいリットルの計算方法

正しいリットルの計算方法を知ることは、消費者にとって重要です。
ここでは、立方センチメートル(cm³)からリットルに換算する基本的な計算方法を紹介します。
たとえば、32×40×62 cmのボックスの場合、正確な容量は次のように計算されます。

しかし、一部の販売業者がこの計算方法を無視し、寸法の加算合計値をそのままリットルとして表記しているケースがあります。
この場合、32+40+62=134という数値がリットル容量として表示されてしまうのです。
これは、明らかに誤った方法であり、消費者を誤解させる可能性が高いです。

このような表記方法は、消費者に対して誤った期待を抱かせ、購入後の不満につながる恐れがあります。
正確なリットル表記は、各寸法を掛け合わせて得られる体積に基づくものであり、加算による表記は信頼性に欠けるため、注意が必要です。
また、先の実際のリットルと広告リットルの違いで挙げた対象でない数値や関係のない数値を掛け合わせて算出している販売業者も同様です。

優良誤認について

優良誤認とは、消費者が誤解する可能性のある表記や広告を指します。
宅配ボックスのリットル表記においても、実際の容量と異なる表記がなされることで、消費者に誤解を与えるリスクがあります。
これは消費者保護の観点から問題視されるべきであり、日本の法律ではこのような誤解を招く表記は規制されています。
企業は正確で誠実な情報提供を行う義務があります。

これから購入を検討者されている方へ

消費者が宅配ボックスを選ぶ際、正しいリットル表記を確認することが重要です。
具体的な寸法を基に計算された容量を確認し、過大な広告表記に惑わされないようにしましょう。
また、信頼できるメーカーや販売業者から購入することが、長期的な満足度に繋がります。

結論と今後の展望

私たち消費者は、自分自身で正確な情報を得て、正しい選択をすることが求められます。
業界全体としても、透明性を持った表記や広告が推奨されるべきです。
消費者と業界が協力して、公正で誠実な市場環境を作り上げることが、今後の発展につながるでしょう。