2024.09.12 COLUMN
  • X
  • LINE
  • Facebook

置き配サービスの普及とともにトラブル相談件数が増加中

置き配サービスが拡大する中、それに伴うトラブルの相談件数が増加しています。誤って別の荷物が届いたり、荷物が雨に濡れる場所に置かれ、びしょ濡れになるケースが報告されています。

――皆さん、置き配サービスを利用したことはありますか?
アルバイト(20代) 「よく使います。置き配は便利なので、よく選びます。」
大学生(20代) 「週に一度はネットショッピングをしていて、ほとんど置き配を選んでいます。」

置き配は、受け取り手が不在の場合に玄関前などに荷物を置いていくサービスです。
2024年問題を背景に、配達員の負担軽減が期待される中、2024年9月2日(月)から佐川急便も置き配サービスを導入しました。
これにより、ヤマト運輸、日本郵便を含む大手3社が置き配対応可能となりました。

さらに、10月からは政府によるポイント還元事業が始まり、利用しやすさが向上するなど、置き配の普及に自治体も積極的に動き始めています。

自治体も動き出す:川越市の置き配バッグ配布

埼玉県川越市では、再配達を減らすためにオリジナルデザインの置き配バッグを無料配布(※応募終了)しました。
その結果…
川越市産業振興課・副主幹 五味弘企さん 「6000個の用意に対して、1万1000件もの応募がありました。」
予想以上の反響がありました。

宅配ボックスの進化とAI技術の活用

再配達を減らすための取り組みは、宅配ボックスの分野でも行われています。
東京都内のマンションに設置された新型宅配ボックスは、扉がなく、自由にサイズを変更できるデザインです。
従来の宅配ボックスでは、大きなスペースに小さな荷物が収まることが多かったですが、このボックスでは棚の高さを調整することで、大きな荷物も収められるようになっています。
さらに、AIが荷物の出し入れを検知し、従来よりも2〜3倍の荷物を効率的に収納できるとされています。

Nice Eze ゼネラルマネージャー 神崎徹さん 「配達員の数は減少する一方で、配送物の量は増加しています。これに対応するための大きな解決策になると考えています。」

置き配トラブルへの懸念の声が広がる

置き配の利用が広がる中、利用者の間ではトラブルに対する懸念も広がっています。
自営業(30代) 「玄関前にそのまま置かれるので、盗まれないか心配です。」
30代 「配達完了となっていても、実際には届いていないことが何度かありました。」

東京都消費生活総合センターによると、コロナ禍以降、置き配に関するトラブルの相談件数が急増しています。
2023年度には368件の相談があり、2024年度は8月までで180件(速報値)と、前年を上回るペースで増加しているとのことです。

最近の天候がトラブルに影響することもあります。
ある利用者が大手通販会社で注文した商品は、置き配で届けられました。
しかし、帰宅して荷物を確認すると、箱がびしょ濡れでした。
突然の雷雨が多い今年、荷物は雨に晒される場所に置かれていたようです。
事業者に連絡し、返金はされたものの、その後、自分のアカウントが削除されてしまったというケースも報告されています。

誤配送の増加とその対応策

さらに、相談の約半数を占めるのが、誤配送です。先月、他人の荷物が届いたという女性の例では…
埼玉県在住(30代) 「玄関を開けると、大きな箱がありましたが、伝票を確認すると裏のマンション宛のものでした。」

その後、ネット通販事業者に連絡したところ…
埼玉県在住(30代) 「『着払いで送り返すか、廃棄してください』と言われました。」
しかし、大きすぎる荷物に対して、どちらの対応も困惑したということです。

東京都消費生活総合センターは、誤配送を防ぐため、注文時に住所を再確認することの重要性を呼びかけています。