2025.02.28 COLUMN
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豪雨対策できている?宅配ボックスの浸水リスクと防ぐ方法

近年、いわゆるゲリラ豪雨など短時間の強い降雨が頻発しており、宅配ボックス周辺の水害リスクが高まっています​。

地面に直置きした宅配ボックスは、大雨時に周囲に水たまりができたり冠水したりすると浸水被害を受ける恐れがあります。

実際、十分な防水対策がされていない宅配ボックスでは「大雨で雨水が侵入し、届いた荷物がびしょ濡れになってしまった」という事例も報告されています。

特に台風や記録的豪雨では、地表近くのボックス扉などから内部に水が入り込み、荷物が水浸しになるリスクが無視できません。

また、豪雨そのものの勢いでボックス内に雨水が吹き込んだり、地面から雨水が染み上げたりするケースも考えられます。

近年、短時間の強雨が増加しているため、宅配ボックスの選定や設置時には、従来以上に浸水対策を考慮することが重要です。

設置場所(地面材質)による影響

宅配ボックスを設置する地面の材質や環境によって、安定性や防水性に差が出ます。

一般に平坦で固い地面が望ましく、凹凸があって不安定な場所(砂利・土・芝生など)への設置は推奨されません。
土や砂利の上ではボックスが傾いたり、豪雨時に地面から水がしみ込んで底面から浸水しやすくなります。

アスファルト舗装の場合も一見平坦ですが、コンクリートに比べ柔らかいためアンカー固定が緩みやすく、転倒防止工事に工夫が必要です。

一方、コンクリートやレンガ、タイル敷きの場所であれば比較的安定して設置できます。

ただしタイルや石材の場合、目地や模様の溝が深いと接着強度が弱まることがあるため注意が必要です。

水はけが良く平坦な場所 に据え付けることが理想です。
どうしても土の上に置く場合は、防草シートやコンクリート平板を敷いて地盤を固めた上で設置する、あるいはアンカーボルトで固定できる基礎ブロックを用いるなどの対策をとりましょう。

また、できるだけ建物の軒下など雨の当たりにくい位置を選ぶことで、雨水の直接的な侵入リスクを減らすことができます​。

宅配ボックスの防水性と推奨される対策

屋外設置用の宅配ボックスを選ぶ際は、防水・防滴性能に優れた製品を選ぶことが重要です。

具体的には、雨水が侵入しにくい構造や部品を持つものがおすすめです。

例えば扉と本体の接合部にパッキンや「水切り構造」と呼ばれる雨水をせき止める折り返し加工が施されている製品は、内部への浸水を大幅に軽減できます。

実際、エスディエス社の宅配ボックス「tumiki」では、自社試験で時間降水量300mm相当の豪雨を再現しても内部への水の侵入がなかったと報告されています​。

また、建築金物メーカーの製品でも台風クラス(時間雨量120mm)の雨に標準対応した防滴構造を持つものがあります​。

このように防滴性能試験をクリアした宅配ボックスを選ぶと安心です。
このような試験を実施している商品は珍しいため、もし試験をクリアしていない場合は、素材や防水処理に注目して選ぶことをお勧めします。

スチール製の場合は防錆塗装や高耐食性のメッキ鋼板を使ったもの、部品もステンレス製でサビに強いものが望ましいです。

設置時の対策としては、底上げ(後述)防水シートの活用アンカー固定穴へのシーリング処理などが挙げられます。

豪雨や台風が予想される際には、念のためボックスの扉が確実に閉まっているか確認し、必要に応じてビニールカバーを掛けて二重に雨対策をすることも考えられます。

日頃から扉のパッキンや鍵部分の劣化を点検し、ひび割れや緩みがあれば交換・補修することで、防水性を長持ちさせることができます。

実際に発生した被害事例

宅配ボックスや置き配に関するトラブルは年々増加傾向にあります。
例えば、玄関先に荷物をそのまま置く「置き配」を利用した場合、荷物の盗難や誤配達、雨濡れといった被害報告が近年急増しています​。

経済産業省と国土交通省が2020年にまとめた報告でも、対面受取と比べて置き配は「雨による汚損や盗難リスク」が高いことが指摘されています​。

実際、ある自治体では置き配中の荷物が集中豪雨で水浸しになり商品が台無しになったケースや、大雨後にボックス内で荷物が破損していたケースも報告されています。
※具体的事例のソースは省略しますが、消費者センター等への相談事例より

また、防水対策等が不十分な宅配ボックスを購入したユーザーの声として、「予想以上に雨ざらしになる事が多くメンテナンスが大変」といった意見や、大雨の際に「扉に防水対策がされておらず、荷物が水浸しになっていた」といった声もあります​。

これらの事例やデータから、宅配ボックスの地面設置における防水・防犯対策の重要性は無視できません。

盗難や劣化など、その他のリスク

豪雨以外にも、屋外に宅配ボックスを設置する際にはいくつかのリスクがあります。

盗難リスク

ボックス自体が軽量で地面に固定されていない場合、荷物ごと持ち去られる可能性があります。
特に折り畳み式や簡易な据え置き型(重量のないタイプ)は狙われやすいだけでなく、留守である事がバレるので一層注意が必要です​。

据え置き型の対策としては、アンカー固定(地面や壁にボルトで固定)や、後述する重たい専用ベースの使用によって、ボックスの移動・持ち去りを困難にする方法があります。

施錠に関するリスク

暗証番号式の鍵は便利ですが、番号が推測されたり、他人に見られて漏洩したりするリスクがあります。
設定した番号を長期間変更せずに使い続けると、予測されやすくなる可能性があります。

このようなリスクを避けるためには、ゼロリターンやデジタル、指紋キーを採用している宅配ボックスがおすすめです。

ゼロリターンキーは、扉を開けるたびにダイヤルが自動でリセットされるため、第三者に暗証番号を知られるリスクがありません。

また、これらの施錠方式なら、プッシュロック式などの物理的な鍵を持ち歩く必要がなく、紛失や鍵の共有によるトラブルを防げます。
こうした方式を採用するタイプを選択することで、より安心して宅配ボックスを利用できるでしょう。

経年劣化のリスク

屋外では雨風だけでなく強い日差し(紫外線)や気温変化にさらされるため、材質が劣化していきます。

金属製品では塗装の剥がれやサビの発生、樹脂製品では色あせや変形が起こりえます。
特に安価な宅配ボックスは、材質や塗装のコストダウンを行っているケースが多く、「真夏の強い紫外線によりボックスが歪んでしまった」「サビが発生した」という失敗談もあります。

対策として、耐候性・耐腐食性に優れた製品を選ぶこと(例えば高耐食メッキ鋼板やステンレス製部品を使用したもの)や、自身で定期的に防錆スプレーを塗布する、雨ざらしになる表面にワックスやコーティング剤を施すといったメンテナンスが有効です。

また、直射日光が長時間当たる場所では遮光カバーを掛けるなどすると劣化を遅らせることができます。

風圧や倒壊のリスク

最後に風圧や倒壊のリスクも考えられます。
台風時の強風でボックスが倒れたり飛ばされたりすれば大変危険です。

これも重量を増して固定を強固にすることでリスク軽減できますし、風の直撃を受けにくい建物側面に寄せて設置する配慮も有効でしょう。

これら様々なリスクに対して、盗難防止策・防水防錆策・固定強化策を組み合わせて対処することが大切です。

高さのある専用ベースの使用メリット

宅配ボックス専用のベース(土台)を利用すると、多くのメリットが得られます。

まず、浸水対策の面では、ベースによってボックス本体が地面より高く持ち上がるため、大雨時に地面近くから侵入してくる水を防げます。

多くの宅配ボックスは底面にアンカー固定用の穴がありますが、屋根の無い場所で豪雨に遭うとこの穴から雨水が内部に侵入する恐れがあります。

しかしベースで底上げすれば、穴の位置自体が高くなるため浸水リスクを軽減できます。

実際、ベースを使うと約30cm程度の高さまで底上げでき、ゲリラ豪雨や豪雪への対策として有効です。

専用ベースの安定性や防犯性

ベース内部に重量物(例えばペットボトルやコンクリートブロックなど)を入れることで全体の重心が下がり、ボックス全体の重量が増して倒れにくくなります。

これは強風対策になるだけでなく、ボックスごと持ち去ろうとする窃盗への抑止力にもなります。
加えて利便性・人間工学のメリットもあります。

底上げなしの場合、ボックスの投入口や取り出し口が地面すれすれになりがちで、荷物の出し入れ時に腰を深くかがめる必要がありました。
ベースで高さを上げれば、取り出し口が高くなる分、腰への負担が減りスムーズに荷物を取り出せます。

特に重量物の受け取りではこの差が大きく、日常的に使う上で快適さが向上します。

また、多くのベースにはアジャスターが付いており、傾斜地や多少凸凹のある地面でも水平に設置できるようになります。

これにより駐車場のわずかな傾斜や玄関ポーチのタイル面でも安定した据え付けが可能です。
本体を直置きすることで、金属部分が玄関タイルなどを直接擦ることがなくなり、床面を傷つけにくくする効果も期待できます。

まとめると、専用ベースの使用は防水・防犯・利便性のすべてにおいてプラスに働くため、初期費用が少しかさんでも導入を検討する価値が高いと言えます。

適切な設置方法と対策の提案

以上を踏まえ、宅配ボックスを安全・安心に設置し長く使うためのポイントをまとめます。

防水性能の高い製品選定

屋外設置対応の防水対策(パッキン付きや水切り構造採用など)がなされている宅配ボックスを選びましょう​。

また、防錆加工がしっかりした製品やステンレス部品使用のものを選ぶことでサビによる劣化を防げます。
購入前にメーカーの防水試験実績やユーザーレビュー(雨天使用の評価)を確認すると安心です。

設置場所の工夫

可能であれば建物のひさしの下や玄関ポーチの隅など、直接雨がかりにくい場所を選んで設置しましょう。

地面は平坦で排水の良いコンクリートやタイル面が理想です。
水はけの悪い低地や水が流れ込む恐れのある場所は避けてください。

どうしても屋根のない場所に置く場合は、市販の簡易ひさしやカバーを取り付けて雨をしのぐことも検討しましょう。

据え置き+固定で安定化

ボックスをそのまま置くだけでなく、アンカー固定や重りの設置で動かないようにします。

アンカーボルトでしっかり固定し、固定穴には防水パッキンやシーリング剤を充填し、そこからの雨水侵入を防ぎましょう。

アンカー固定が難しく、直置きやワイヤー設置に不安を感じる方には、専用のベース(土台)を活用することをおすすめします。
ベースを使用することで、宅配ボックスの重量が増し、安定性が向上します。

さらに、ベース内にコンクリートブロックやレンガを入れることで、転倒や盗難防止効果が高まります。

最も効果的な方法は、ベースとアンカー固定を組み合わせることです。
この組み合わせにより、宅配ボックスはしっかりと固定され、倒れにくく、盗難されにくい堅牢な設置が可能となります。

防犯対策

暗証番号式の鍵は便利ですが、番号が推測されたり、他人に見られて漏洩したりするリスクがあります。
特に、設定した番号を長期間変更せずに使い続けると、予測されやすくなる可能性があります。

このようなリスクを避けるためには、ゼロリターンキーやデジタルキー、指紋キーを採用する宅配ボックスを選ぶのがおすすめです。

ゼロリターンキーは、施錠や解錠時にダイヤルが自動的に「0000」に戻る機能を備えており、暗証番号の崩し忘れや漏洩を防止します。

また、プッシュロック式のように物理的な鍵を持ち歩く必要がないため、紛失や共有忘れの心配もありません。
このような機能を持つ宅配ボックスを選ぶことで、セキュリティと利便性を高めることができます。

設置場所も、人目につきにくい場所だと不審者に狙われやすい一方、人目が多すぎると逆に通行人から中身を覗かれる可能性があります。

道路から見えにくく、かつ近隣住民の視線が届く場所に設置するなど、防犯カメラや照明の設置も含め周囲環境を工夫してください。
ボックスに「防犯ブザー内蔵」や「録画中」ステッカーを貼るのも心理的抑止力になります。

定期点検とメンテナンス

屋外に置きっぱなしにしている宅配ボックスは定期的な点検が肝心です。
ゴミが溜まって排水穴を塞いでいないか、扉の開閉部に泥や砂利が詰まっていないか確認しましょう。

サビが出始めたら早期にサビ落としやサビ止めを施すことで深刻な劣化を防げます。
鍵やダイヤルも動作チェックを行い、不具合があれば付け替えなどメーカーに相談してください。

大雨や台風の後は内部に水滴や湿気が残っていないか確認し、必要に応じて乾いた布で拭いておくとカビや悪臭の発生も防止できます。

これらの対策を講じることで、豪雨による浸水リスクを下げ盗難や劣化の不安を減らし、宅配ボックスを安心して長期間活用できるでしょう。

まとめ

特に近年は異常気象による極端な天候が増えていますので、万一の事態も想定した設置・運用が重要です。

適切な製品選びと設置の工夫で、大切な荷物を雨や犯罪からしっかり守りつつ、再配達削減の便利さを享受できるようにしましょう。

必要に応じて専門業者やメーカーのサポートも活用し、後悔のない宅配ボックス選びと設置を実現してください。

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